その後の仁義なき戦い (1979)
敗戦直後の広島・呉。復員してきた広能は、その度胸ときっぷの良さを買われ、山守組の一員となる。それを機に、弱小勢力だった山守組は組織を拡大していき、ついには他組織と全面抗争する勢力へと発展。そして、日本暴力団抗争史上で最も多くの血を流した「広島ヤクザ抗争」が幕を切る。
キャスト
- 根津甚八 — Toshio Aiba
- 原田美枝子 — Akiko Negishi
- 宇崎竜童 — Shoji Negishi
- 松崎しげる — Keiichi Mizunuma
- ガッツ石松 — Motoji Wada
- 絵沢萠子 — Toshio's mother
- Kyo Hanaki
- 岩尾正隆
- 片桐竜次
- 立川三貴
- 有川正治
- 橘麻紀 — Nobuko Fujioka
豆知識
「その後の仁義なき戦い」(そのごのじんぎなきたたかい)は、1979年5月26日に公開された日本映画。東映京都撮影所製作、東映配給。監督は工藤栄一。主演は根津甚八。音楽は柳ジョージ&レイニーウッド。
製作
企画は岡田茂東映社長。1976年末の映画誌のインタビューで「(1977年)秋に『その後の仁義なき戦い』をやろうと思っている」と話しており、タイトルも最初から決めていた。「新仁義なき戦いシリーズ」の最終作、『新仁義なき戦い 組長最後の日』の公開は1976年4月のため、当初は「新仁義なき戦いシリーズ」の流れで『その後の仁義なき戦い』を製作する予定だった。監督もそれまでと同様、深作欣二で製作を予定し、当初の設定も広島県福山市で、ある程度シリーズを踏襲する内容であったが、深作がスター監督になり、予定大作が増え、企画が一旦流れた。数年後、工藤栄一監督を迎えて復活が決まりこの年製作された。
五年映画を撮っていなかった工藤栄一監督の信奉者が、東映に工藤監督に映画を撮らせろと突き上げ、東映がGOサインを出した。工藤復活のアドバルーンを上げるため、当時ぴあと並んで若者必携の情報誌『シティロード』の主催で、1979年4月21日から一週間、五反田東映で「帰って来た映像の刺客!!工藤栄一監督名作上映会」が催されるなど気運を盛り上げた。当時の大宣伝作戦による"大作主義"で、自ら首を絞め、アップアップの邦画界にあって、東映としても"映像の刺客"工藤栄一に沈滞ムードを打ち破る切っ掛けを期待した。工藤は「深作さんは深作さん。私は私です。かつての『仁義なき戦い』とは全く違ったダイナミックな青春ヤクザ映画に仕上げて見せます」と決意を述べた。また「『仁義なき戦い』というタイトルでずっとやってきたから、タイトルは仕方ないが、『仁義なき戦いシリーズ』に出ている俳優さんはなるべく使わないようにしたい」という条件を出した。
このためキャスティングは東映ヤクザ映画をあまり経験したことのない人でやろうと決まり、メインキャストは、それまでヤクザ映画に出たことのない役者が揃った。但し小池朝雄と成田三樹夫は工藤の希望。それ以外の松方弘樹らベテラン俳優は東映サイドのキャスティング。工藤が「若い人に見てもらいたい。そのためにも芸の完成した人でなく、中には"君は俳優に向いてないよ"」という人をキャスティングした。根津甚八、宇崎竜童を選んだのは工藤。根津は状況劇場を退団後の初仕事。本格的映画は『玄海灘』についで二本目。撮影半ばのインタビューで、根津は「舞台はハッキリ言ってやる気はない。当分は映画に専念するつもりだ。最近、自分でも映画向きかなと思ったりするしね。映画はさまざまなアングルを使い、いろんな冒険ができる。その部分に惹かれているんだ」「状況劇場退団の話はしたくない。映画を見てもらい、あ、根津はこういうのをやりたかったのかと理解してもらうしかない。いい作品で大きな監督とやれるのは幸せだ」などと映画の虜になったと話した。
原作クレジットの飯干晃一はチンピラ三人という設定のみ出した。ほぼ松田寛夫と神波史男のオリジナル脚本。ローカルの血縁・地縁で固まっている小さな組の話で、その中にいる若い奴の戦い方が話の軸だった。
シナリオ作りに難航し、松田が切り口を見つけて一人で第一稿を書き、神波は補佐役だった。これは最終的にやくざにもなりきれず、やくざからもドロップアウトして、暴発暴走して犯罪者になる三人の若者の生きざま死にざまを追いかける同じ神波脚本の『総長の首』にも共通するテーマがあった。『総長の首』の脚本は中島貞夫との共作だが、ほぼ同時進行した。
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