家族 (1970)
新しい大地を求めて旅ゆく人々… あなたの心にはげしく迫る生きるよろこび……
高度経済成長期の日本を背景に、貧しい一家が開拓村へ移り住むため長崎から遙か北海道へ向かう長い旅の道のりを描いた異色ロードムービー。船や電車を乗り継いで行くその道中で、様々なトラブルや不幸に見舞われながらも家族の絆を拠り所に力強く生きていく姿が胸に響く感動作。監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。長崎の伊王島。貧しいこの島に生まれた民子と精一が結婚して10年の歳月が流れていた。小さな島で家族5人を養っていくことに限界を感じた精一は、自分の会社が潰れたのを機に、友人が勧めてくれた北海道の開拓村への移住を決心するのだった。
キャスト
- 倍賞千恵子 — Tamiko
- 井川比佐志 — Seiichi
- 笠智衆 — Genzo, So's father
- 前田吟
- 春川ますみ — Passengers on Nemuro Main Line
- ハナ肇 — Himself
- 渥美清 — Traveler
- 森川信 — Ryokan Owner
- 花沢徳衛 — Chinke
- 三崎千恵子
- 梅野泰靖
- Tsuyoshi Kinoshita — Son
豆知識
『家族』(かぞく)は、1970年に松竹で制作・同年10月24日に公開された山田洋次監督の映画。山田洋次監督が倍賞千恵子を「民子」という役名で起用した、いわゆる民子3部作(本作、1972年の『故郷』、1980年の『遙かなる山の呼び声』)の第1作である。
製作
日本映画界は1960年代後半から1970年代前半にかけて映画不況に苦しみ、映画の製作のみで黒字を出していたのは東映だけで、松竹と東宝は洋画の興行部門もあり、映画製作・配給以外にも強い部門を持つため(松竹は歌舞伎と演劇)、映画製作・配給に依存する大映や日活ほど深刻ではなかったものの、映画製作に関しては松竹も「(この先)どうなることか分からない」とまで言われていた。この映画製作を救ったのが「男はつらいよ」で、この大きな貢献から松竹が山田の希望する企画を撮らせたのが『家族』と『故郷』。松竹首脳も企画の段階からこの二本は興行価値はないと解っていたが、松竹には「映画の育ての親」という自負があり、興行価値はなくても水準の高い良心作を作らなければならないという思いからこの二本を作らせた。『故郷』は同時上映が『旅の重さ』で、これも良作と前評判が高く宣伝にも力を入れたが、予想通り2本とも赤字を出した。なお製作には6か月を要したとDVD「予告編」ではアナウンスされている。
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