(ハル)

(ハル) (1996)

まだ見ぬあなたに、恋してる。

速見昇は“ハル”というハンドル名でパソコン通信の映画フォーラムにアクセスする。仕事も恋もうまくいかず鬱屈していた(ハル)に、励ましのメールを送ってきたのは(ほし)という人物だった。互いの実像をわからないまま二人は次第に本音を伝え合うようになる。やがて、(ほし)の住む盛岡に出張することになった(ハル)はそこで会おうと提案するが……。

公開日
1996-03-09
TMDB
7.9 / 10 (45)
上映時間(分)
1時間58分
ジャンル
ドラマ, ロマンス
監督
森田芳光

キャスト

豆知識

『(ハル)』は、1996年に東宝系で公開された日本映画。監督・脚本は森田芳光。主演は深津絵里と内野聖陽。

製作

それまでのハイペースな映画作りから一転、製作が途絶え、森田芳光にとっては4年ぶりの映画であった。作家性と興行の狭間で苦しんでいた時期で、オファーがあっても企画にノレなかったりした。映画館で働いた経験がある森田は、客席がガラガラの様子が目に浮かび、どれだけ高い評価を受けても、興行がダメなら価値はないという考えを持っていた。すごく悩んだあげくやっと見つけたのが字を読ませるという企画であった。森田が競馬で大勝して、当時70万円したパソコンを買って、そこでパソコン通信の存在を知り、そこから発想を得て脚本を書いた。しかし当時はまだパソコンを持っている人は少なく、企画を持ち込んだ先で「パソコン通信って何ですか?」「メールって何ですか?」と言われることが多く、そこから説明しなければならなかった。誰にも理解されず、文字ばかりの映画に出資してくれる企業もなく製作に難航。商業映画デビューのときにも「お金が集まっても配給が決まらないとやらない」と言ったくらい慎重派の森田が、配給も決まらず作り始めた。

脚本を書いて公開まで2年かかった。撮影は約1カ月。スタッフは全パートの若返りをはかり、撮影の高瀬比呂志を始め、森田組の数人がメインに昇格。

(ほし)と(ハル)らのメールのやりとり「映画フォーラム」で言及される映画や俳優は、実在するマルクス兄弟や、『タッチダウン』『裏窓』などと、架空の『浜辺のシンフォニー』などが混在している。(ハル)はVANのアメフト部(VAN GUARDS)出身の設定。(ハル)は東南アジアからの輸入食品などをスーパーなどに売り込む営業マンで、劇中で取引先から「トムヤムクンのネーミングをトムヤムチャンに出来ないか?」と言われる。中盤に(ほし)が友人とカラオケで盛り上がる曲は、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」、スーパーの店長(演:潮哲也)がスナックのカラオケで歌うのは石原裕次郎の「恋の町札幌」で、いずれもノンクレジット。(ハル)と(ローズ)がピクニックに行き、(ローズ)が「青姦」ではなく、「アウトドアセックスしたことある?」と言う。(ほし)と(ローズ)は岩手県盛岡市出身の設定で、中盤に盛岡冷麺がフィーチャーされる。

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