愛ふたたび (1971)
金沢の古い薬屋の娘・みやは、婿をとって店を継ぐことを条件にパリへ留学した。そこでレーザー技師のニコと出会い、愛を交わすようになる。1年半後、母の病気のため日本へ帰ることになったみやだったが、行き違いから別れも告げずに帰国することに…。
キャスト
豆知識
『愛ふたたび』(あいふたたび)は、1971年5月15日に公開された市川崑監督の日本映画である。併映は『「されどわれらが日々」より・別れの詩』。日比谷みゆき座ロードショー100本記念作品。
製作
東和の創業者だった川喜多長政が発案したとされ、当時、日本で人気があったフランス人俳優のルノー・ヴェルレーを主役にした日本映画として企画された。配給する東宝の専務取締役だった藤本真澄を通じて、藤本と旧知の仲だった市川崑が監督に起用されたが、当時、市川は劇映画の監督を休止状態で、「撮ってくれや」と藤本から頼まれ、「まあ、ボツボツやりましょうか」という気持ちで引き受けたという。映画のストーリーは完全オリジナルで作られることとなり、東和側は「来日したフランス人青年が誰かを愛をして別れる話」というシンプルなメロドラマの流れを要望したが、嘗て「メロドラマの名手」と評され、そのイメージの脱却に苦労した市川はテンプレを嫌い、東京オリンピックや高校野球の記録映画で脚本に関わった谷川俊太郎に脚本を依頼し、ヴェルレーの相手役には、以前に監督した『太平洋ひとりぼっち』で印象的な役回りを演じた浅丘ルリ子を起用するといった変化球の人選を行った。
映画は、ほぼ全編がロケーション撮影で、セット撮影はスキー場のホテルの室内程度でしか用いられないかった。スキーの空撮はスキー映画の専門家が撮影し、また、ヴェルレーも浅丘もスキーが全くできなかったため、代役が担当した。これらの撮影は、ヴェルレーの契約上、まず日本国内で行われてからフランスで行われた。ところが、フランスで撮影したフィルムを、現地の現像所で編集とアフレコの作業をしていた際、それを視聴した無関係のフランス人の脚本家が盗作を主張し、通報を受けたフランスの警察がネガフィルムを全て押収するというトラブルが発生した。現地で指揮を執っていた市川は、製作スタッフをフランスに残して帰国し、残されたポジフィルムで編集作業を続行するが、このトラブルは裁判沙汰にまで発展して長引き、市川側の勝訴として結審するも、映画の公開が遅れてしまう要因となってしまった。
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