透明人間 (1954)
怪奇と謎の殺人事件! 姿なき戦慄 透明人間の正体?
戦争の犠牲で透明人間となってしまった男の悲しみを描くSFスリラー。同年公開の「ゴジラ」に次ぐ東宝のSF作品であり、撮影と特技監督を円谷英二が担当。銀座で透明人間が自動車に轢かれ、遺留品からもう1人の透明人間が都内にいると判明。新聞記者の小松は第二次大戦中に透明人間部隊が存在していたことを突き止め、部隊の生き残りを捜し始める。その頃、銀行や宝石店が次々に襲われていた。
キャスト
- 河津清三郎 — Takamitsu Nanjô / Invisible Man Nanjô
- 三條美紀 — Michiyo, the singer
- 髙田稔 — Yajima, gang boss
- 土屋嘉男 — Komatsu, reporter
- 澤村宗之助 — Nomura, Dietman
- Keiko Kondo — Mariko, the little girl
- 藤原釜足 — Mariko's grandfather
- 広瀬正一 — Policeman
- 村上冬樹 — Chief Editor Yamada
- 瀬良明 — Man at street stand
- 大友伸 — Detective
- 中島春雄 — Haruo Akita / Invisible Man Akita / Takamitsu Nanjô (stunt double)
豆知識
- 原作:透明人間
『透明人間』 は、1954年(昭和29年)12月29日に公開された、日本の特撮SF映画。製作・配給は東宝。モノクロ、スタンダード作品。上映時間は70分。監督は小田基義、主演は河津清三郎。
制作
特撮監督の円谷英二は本編撮影を兼ねており、カメラマンの肩書きとしてはこれが最後の仕事である。円谷による透明人間を題材とした特撮作品は大映の『透明人間現わる』(1949年)以来であり、同作品で用いられた技術も本作品で発展継承している。
映画監督の日高繁明が脚本を初執筆しており、続いて『ゴジラの逆襲』も執筆した。最初期の台本では、まりは盲目の少女ではなく花売り娘と設定されており、最後は恋人とともに新天地に旅立つという結末であった。続く改訂台本では、南条が戦地で行方不明となった美千代の恋人であることが判明するシーンが存在したが、決定稿とされる台本では削除された。
プロデューサーの北猛夫は当時東宝撮影所の製作部長を務めており、組合の要望によって現職のままでの兼任であった。当時の東宝ではプロデューサーへの東宝社員の登用が進んでおり、北が現職と兼任する初めての例であった。結果として、東宝特撮では珍しい田中友幸以外が製作を務める作品の1つとなった。
音楽は、日本における映画音楽の草分け的存在であり、日本初の本格的ジャズ演奏家としても知られる紙恭輔が務めた。紙が音楽を担当した映画は、2022年時点で視聴可能なものが少なく、本作品は現存する作品の1つとなっている。本作品における音楽は、楽曲が主張しすぎず映像に寄り添うかたちの古典的かつ職人的なスタイルと評される。
主演の河津清三郎は、東宝に2本出演するという契約で小田の前作『幽霊男』に続いての出演であった。当時の河津は多忙であり、本作品のクランクアップ前に日活での主演作『俺の拳銃は素早い』の撮影に入っている。
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