探偵物語

探偵物語 (1983)

尾行ひとつ満足にできないのかしら、ドジな探偵さん。

主演映画「セーラー服と機関銃(1981)」の大ヒット後、大学受験のために女優活動を休業した薬師丸のカムバック作として当時大きく注目を集めた話題作。薬師丸演じるお嬢様女子大生が松田演じる私立探偵にボディーガードされるストーリーだが、根岸吉太郎監督などスタッフは、薬師丸を女優として成長させようとさまざまな仕掛けを施し、薬師丸もその期待に応えた。原田知世主演「時をかける少女」と2本立てで初公開。 父が待つアメリカへの出発を一週間後に控えた女子大生の新井直美。憧れの永井先輩に誘われホテルへ向かった直美だったが、直美の伯父を名乗る男が飛び込んできて永井を追い出してしまう。男は直美の父の元秘書に雇われた辻山秀一という名の私立探偵で、彼女を出発まで守ることになっていた。ある日、辻山の元妻である幸子が彼のアパートに転がり込んできた。岡崎組の跡取りである和也がホテルで刺殺され、自分が容疑者として疑われているのだという。直美は辻山に、一緒に犯人を捜そうと言い出す。

公開日
1983-07-16
TMDB
5.9 / 10 (7)
上映時間(分)
1時間52分
ジャンル
ドラマ, ロマンス, 謎
監督
根岸吉太郎

キャスト

豆知識

『探偵物語』(たんていものがたり)は、赤川次郎の小説。1983年に映画化され、1984年および2018年にテレビドラマ化された。

製作

角川映画からセントラル・アーツに制作の発注があり、黒澤満・紫垣達郎プロデューサーの他、撮影・仙元誠三、照明・渡辺三雄ら、セントラル・アーツ系のスタッフが揃った。もう一人のプロデューサー・長谷川安弘は制作会社・ウイングス・ジャパン代表で80年代は主に東映の映画制作に関わった。

松田優作は出演経緯について、二年ぐらい相当マイナーっぽかったので、メジャーラインに乗せたかったこと、若い層の観客が自分についてないこと、その層からどう受け止められるのか興味があったこと、根岸監督の 『キャバレー日記』が好きで(一般的には評価の高い)『遠雷』よりずっといいという気持ちがあり、根岸監督なら是非、やってみたいと思った、などと述べている。

脚本は角川春樹が鎌田敏夫を指名し完成したが、根岸吉太郎監督が「これでは使えない」と文句をつけて、親しい荒井晴彦と高田純に脚本の手直しを要求。このトラブルで映画の完成が大幅に遅れた。泣く子と地頭には勝てないとすぐに諦める監督が多い中、映画界の"ドン"にのし上がった角川春樹に敢然と"反旗"を翻した根岸を映画関係者は称賛した。荒井晴彦は「俺が書いたのに未だに名前を入れてもらえない」と話している。

薬師丸の大学入試が終わる1983年3月半ばクランクインを予定していたが、前述のトラブルの影響により、1983年4月20日クランクイン。薬師丸には何としても留年せずに、大学に通うという強い意志があるため、薬師丸にとっては想像を絶するハードな撮影になった。通う玉川大学が出席日数に厳しい校則で、1か月近く欠席すると容赦なく留年が決まる。このため日中のロケは授業が休みの休日のみ。『セーラー服と機関銃』のときも夏休みが過ぎても山ほど撮り残しがあり、徹夜に近い撮影の後、その足で高校へ通い授業に出るという事態の二の舞が予想された。

松田優作は演技派俳優として地歩を固めていた時期で、妥協は一切許さず。しばしば根岸監督と揉めた。前半の薬師丸へのビンタも実際に叩いた。また物議を醸したエンディングは、リハーサルではあそこまで濃厚にやるつもりはなかった。松田が感情が入り過ぎて止まらなくなり、それを薬師丸もちゃんと受けた形となった。

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