彼のオートバイ 彼女の島

彼のオートバイ 彼女の島 (1986)

彼のオートバイ、彼女の島

退屈じゃないのは、オートバイだけなんだ。

音楽大学に通う橋本巧、アルバイトでプレスライダーをしている。恋人である冬美とうまくいっていないコオは、バイクでひとり旅に出た先で、白石美代子と出会う。東京に戻ったコオは冬美と別れ、ミーヨと文通をしていた。夏になるとミーヨのいる瀬戸内に出かけ、秋にはミーヨが東京へやってきた。バイクに興味を持っていたミーヨはコオのバイクに乗るようになり、大型免許を取りたいと言い出した。周囲の心配をよそにミーヨは、コオの750CCバイクに乗り姿を消してしまう。

公開日
1986-04-26
TMDB
7.7 / 10 (51)
上映時間(分)
1時間30分
ジャンル
ロマンス, ドラマ
監督
大林宣彦

キャスト

豆知識

『彼のオートバイ、彼女の島』(かれのオートバイ、かのじょのしま)は、片岡義男の小説、またそれを原作にした大林宣彦監督の日本の映画。

製作

最初は小説が発表された1977年のゴールデンウィーク映画として、松竹が郷ひろみ主演作として映画化を予定し、郷も役作りを終え、ボルテージを高めていた段階で、松竹は「あまりにも暗い。ゴールデンウィーク作品にふさわしくない」と製作を中止し、郷の主演作を『突然、嵐のように』に急遽変更した。郷は『冬の旅』が『さらば夏の光よ』になったことに続いてのことで怒り心頭だった。それから10年経って映画化が実現した。

シナリオは概ね原作に準拠したものであるが、二人の幸福な未来を予見させる原作とは大きく異るショッキングな結末となっている。

本作がデビューとなる竹内力は映画初主演。それまで大阪で三和銀行の社員をしていたが、役者になりたいと一念発起してオートバイで東京に出て来た。アルバイトをしていたライブハウスでスカウトされ、この話をオーディションで聞いた大林が竹内をすっかり気に入って「この映画に出るのはキミの運命だ」と主役に抜擢した。竹内自身も「俺もピッタリだなあと思った」という。

原田貴和子は、1984年夏の妹の主演映画『天国にいちばん近い島』のニューカレドニアロケに同行し、出演はしていないが、大林と会い「今度(映画を)一緒にやろうよ」と声をかけてもらっていた。原田は『アフガニスタン地獄の日々』に続いての映画2作目だが、実質的には本作がデビュー作。原田の出演決定は1984年6月。『アフガニスタン地獄の日々』のロケで1985年3月にイタリアローマに立つ直前に本作の準備稿を渡され、『アフガニスタン地獄の日々』の撮影が終わり、帰国間もなく本作の撮影に入った。『アフガニスタン地獄の日々』はローマでオールロケのため、撮影所での撮影は本作が初体験だったという。『アフガニスタン地獄の日々』の撮影は、スタッフとのコミュニケーションもままならぬ状況で、大林の緻密で丁寧な映画作りに感銘を受けたと話している。

1996年のインタビューで原田は、本作の主役に決ったときは「監督から要求されるものに対して、それに応えたいという気持ちは120%、この映画に対する意欲は本当に強かったです。監督を信じて、自分を全部透明にして、どんな色にでも染めてもらいますという潔さがありました」「作品中、盆踊りで浴衣を着ているシーンが本当に大好きです。何だか、昔からこの島で育った〈ミーヨ〉になりきってしまったほどでした。私も田舎は長崎なんですが、海と山の両方が手でつかめるようなところで、この島の町並みはすごく懐かしい。昔からこの島で生まれ育ってたような錯覚。昔から知っていたような景色がいくつもあって、そのときの空気の匂いまで覚えています」「離れてみて初めて、人間的な意味でも映画監督としても大林監督の偉大さが分かる気がします。私は大林監督ほど、心から納得できる人とお会いしたことはないです」などと述べている。

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