紅い眼鏡

紅い眼鏡 (1987)

近未来を舞台にしたSFアクション。20世紀末、警察はケルベロスと呼ばれる武装特殊部隊を組織した。だが行き過ぎた捜査の末、組織は解体されてしまう。ケルベロスの一員・都々目紅一は単身海外へ脱出、三年後、再び東京へ舞い戻ってきた……。押井守の実写初監督作品で、声優が多数出演した。

公開日
1987-02-07
TMDB
6.5 / 10 (47)
上映時間(分)
1時間56分
ジャンル
サイエンスフィクション, 謎, 犯罪
監督
押井守
シリーズ
Kerberos Saga Collection

キャスト

豆知識

『紅い眼鏡/The Red Spectacles』(あかいめがね・ザ・レッド・スペクタクルズ)は、1987年(昭和62年)2月7日に公開された日本の映画。製作・配給はオムニバスプロモーション。原作・脚本・監督は押井守。パートカラー作品である。上映時間は116分。

製作

当初は、声優の千葉繁のプロモーション・ビデオを作るという話で16mmフィルムで撮影する500万円規模の作品として1986年1月に企画されたが、徐々に話が大きくなり、35mmフィルム撮影の映画製作にまで膨らんでいた。千葉は押井が監督を務めたアニメ『うる星やつら』(1981年 - 1986年)の人気キャラクター「メガネ」を演じており、製作したオムニバスプロモーションは『うる星やつら』の音響製作会社、プロデューサーの斯波重治も同社の音響監督であった。本作のプロテクトギアも『うる星やつら』に登場するメガネのパワードスーツが起源である。

出演者は主演の千葉を始めとして、『うる星やつら』で共演していた声優やアニメ業界関係者が多く参加。千葉らのスケジュールを考慮し、撮影は土、日、月曜日の深夜を中心に行われたという。スタッフも脚本の伊藤和典など『うる星やつら』の関係者が参加し、その他には日本映画学校の学生を起用した。小道具もスタッフの持ち込みという自主製作映画に近い体制で、当初16ミリフィルム撮影で500万円から600万円の予算を予定していたがプロカメラマンを起用して35ミリフィルムで1,000万円という話になり、最終的に2,500万円になったものの、かなりの低予算で仕上げている。プロデューサーの斯波は自宅を抵当に入れて製作費を捻出し、出演者はノーギャラと一部で言われているが、実際にはギャラを払っている。ただしお願いして通常の出演料の半分の額だったという。大量の眼鏡が出るシーンがあるが、フレームを買う予算も無く全国のファンに呼びかけてフレームの寄付を募った程で、返礼に高田明美デザインの特製ステッカーが送られた。

プロテクトギアの制作にあたり、全体的なデザインの開発を出渕裕、製作のチーフを安井尚志、マスクの造形を速水仁司、ボディの造形を品田冬樹が担当した。レインボー造型企画から独立し、フリーランスとなった品田の初仕事だった。品田は、レインボー時代に『科学戦隊ダイナマン』(1983年 - 1984年)から『超新星フラッシュマン』(1986年 - 1987年)にかけてのスーパー戦隊シリーズで出渕によるデザインのキャラクター造形を数十体手がけていたことから起用された。本編に出てくる計3体を1ヶ月半で制作し、1986年5月上旬に完成した。押井は演出上のコンセプトとして「国民社会主義ドイツ労働者党の突撃隊のイメージです。突撃隊と言うのは親衛隊によって解体されるわけだけど、非常にイデオロギッシュな物を持っていたために、時代の変化についていけなかったグループなんですよね。紅一にもそういう側面を持たせたかった」と語っている。出渕は「アナクロニズムに感じられる位に古臭くて、泥臭いデザイン。

事前のアニメ雑誌等での記事では、主人公が着用する特殊強化服のプロテクトギアが前面に出されていたことで、あたかもアクション映画のように思われていたが、実際には迫力のあるアクションはプロローグのみで、以降はその後日談というう構成になっている。映像はほぼモノクロ、台詞中心のストーリー構成で粗が見えないように夜間シーンが中心という節約に勤しんだ演出となった。ジャン=リュック・ゴダールの『アルファヴィル』と鈴木清順の『殺しの烙印』、ウォルター・ヒルの『ウォリアーズ』が参考にされている。さらにアニメ監督である押井守らしく、事前に絵コンテを描き、それにあわせて役者が演技する形になっている。

学生時代には映画青年で8ミリフィルムで実写の自主制作映画も作っていた押井は、これを機に実写方面にも表現の幅を広げることになった。この手法はアニメ・実写問わず形を変えて度々使用され、押井の弟子と言われる神山健治のテレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』にも引き継がれている。

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