悪い奴ほどよく眠る

悪い奴ほどよく眠る (1960)

現代人の麻痺した魂を震えあがらせる怪奇なそして恐ろしい物語!!

日本未利用土地開発公団の副総裁、岩淵の娘佳子と、秘書の西幸一の披露宴が執り行なわれようとしていた。しかし、この西という男、実は5年前、新庁舎の建設に絡む不正入札疑惑で自ら命を絶ち事件の幕引きを図った課長補佐・古谷の一人息子だった……

公開日
1960-09-19
TMDB
7.7 / 10 (304)
上映時間(分)
2時間30分
ジャンル
犯罪, ドラマ, スリラー
監督
黒澤明

キャスト

豆知識

  • 製作費:¥8254万
  • 撮影地:日本

『悪い奴ほどよく眠る』(わるいやつほどよくねむる)は、1960年に公開された日本映画。監督は黒澤明で、黒澤プロダクション製作の第1作である。公団の汚職で死に追いやられた父の復讐を果たそうとする男の姿を描く。物語はデュマの小説『モンテ・クリスト伯』を参考にしており、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の影響も指摘されている。

製作

黒澤明は、前作『隠し砦の三悪人』の製作日数と予算が大幅超過し、頭を悩ませた東宝側の要請に応じる形で、1959年に東宝との折半出資で「黒澤プロダクション」を設立した。黒澤は独立して最初から儲けばかりを狙う作品では観客に失礼だから、なにか社会的意義のある題材を取り上げようと考えた。そこで汚職を題材とする本作を作ることになるが、そのアイデアを提供したのは黒澤の甥の井上芳男である。井上は自分の書いた脚本を黒澤に見せていたが、ある日黒澤に「いつも政治や官僚の汚職のことばかり書いているけど、そういう汚職に関わる連中を成敗する話を、書いたらどうかな」と言われたことで、『悪い奴の栄華』という題名の作品を書き、これを原案に本作の脚本が練られた。

脚本には黒澤、小國英雄、久板栄二郎、橋本忍、菊島隆三の5人が参加し、黒澤作品の共同脚本では最多人数となるが、最初から最後まで参加したのは黒澤と久板だけで、小國、橋本、菊島は体が空いているときにしか参加しなかった。橋本は2週間限定で脚本料なしのボランティアのようにかかわった。菊島も別の企画に追われていたため限られた期間しか参加せず、菊島が合流した時には最初の40ページほどが完成していた。小津安二郎はそのことをズバリ指摘し、菊島に「あれは久板と黒澤がカッカして書いて、君と橋本君は寝てたんだろう」と話したという。

脚本執筆には時間を要し、20日間の合宿を4回も行い、通算80日ぐらいかかった。脚本はまず具体的な進め方を話し合い、それからシーンごとに分担を決めて書き、それを最後に黒澤が整理するという流れで進められたが、途中で思わぬ方向に話が進んでしまって書き直しすることが多かった。また、汚職の構造にまでせまると会社が企画を認めないため、実際の事件や人物に類似しないように配慮しなければならず、汚職の実態をリアルに描くことにも難航した。

1960年1月26日に製作発表を行い、3月22日に撮影開始した。主なロケーションは、守山を監禁する廃墟が愛知県豊橋市の海軍工廠跡、和田が自殺未遂する火山が阿蘇山、古谷が自殺したビルが丸の内ビルディング、拘置所門前が横浜刑務所である。7月27日にダビング作業を開始し、8月22日に検定試写が行われた。製作直接費は8254万円となっている。

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