大日本帝国 (1982)
その時、日本は東條にすべてを託した
日中戦争が泥沼化によって近衛内閣が総辞職したことで、東條英機が内閣総理大臣に就任する。やがて日本の奇襲作戦による真珠湾攻撃から太平洋戦争が勃発。陸軍士官学校で少尉を任命された小田島をはじめ、床屋の幸吉ら一般庶民たちも戦争に借りだされていく。
キャスト
- 丹波哲郎 — Hideki Tojo
- 仲谷昇 — Fumimaro Konoe
- 高橋昌也 — Koichi Kido
- 織本順吉 — Teijiro Toyoda
- 田村高廣 — Sadamu Shimomura
- 三浦友和 — Goichi Odajima
- 西郷輝彦
- 篠田三郎
- 梅宮辰夫
- 大和田伸也
- 湯原昌幸
- 佐藤允
豆知識
- 興行収入:¥14億
- 撮影地:日本
『大日本帝国』(だいにっぽんていこく) は、1982年(昭和57年)8月7日に公開された戦争映画である。製作・配給は東映。上映時間は180分。カラー、ワイド、映倫No.110827。
製作
企画は東映社長の岡田茂。『二百三高地』の大ヒットを受けて銀座に笠原和夫が、岡田と企画部長の天尾完次と繰り出したおり、岡田から「もう一度戦争映画を作ろう」と指示を受けた。岡田は笠原に「This Is The War(これぞ戦争だ!)」みたいな「太平洋戦争を舞台に日本が勝ったとこだけ選んで繋いでくれ」と脚本執筆を指示した。タイトルも岡田の命名によるものである。このアナクロ過ぎなタイトルから、戦争賛美だとして製作・上映反対運動が起きた。岡田は、本作品を製作する気になったのは「東条英機が、戦前戦時の日本が生んだ悲劇の人物だと思ったから。大東亜戦争は東條が一人で計画したのでもなんでもない、開戦の僅か一ヶ月前、満州から呼び戻され総理大臣に据えられた、開戦総理大臣なんです。当時の日本は既に戦わざるをえない状況に追い込まれていた。なぜ、彼が総理に据えられたかというと性格が生真面目で、軍部が操り易いということだったに過ぎない。操り人形にされた―そういう悲劇の人物なんです。
『二百三高地』の翌年に公開の予定で企画されたが、東宝が「8.15シリーズ」と称する戦記映画の一環として『連合艦隊』を公開したため、競合を避けて翌々年の公開となった。
岡田の構想は東条英機を軸に日本の勝利を華々しく描くものだった。笠原は岡田の指示を全く無視し、笠原のライフテーマであった”昭和天皇の戦争責任問題”を明確に盛り込んだ。題名が反動的であるとして話題を呼んだが、監督の舛田利雄も「題名だけで批判されるのは目に見えていたから、余計、内容的には、その時代を知る者として、伝えなければいけないことを、ちゃんと伝えようと作った」と述べている。ストーリーは東條英機の人間像を描きつつ、太平洋戦争にまきこまれた3つの愛と死が軸となっている。丸山昇一は『二百三高地』が当たって「こりゃイケるで。
製作発表会見は3分の2の撮影を終えた1981年夏にあり、丹波哲郎、三浦友和、篠田三郎、あおい輝彦の4人は劇中で着る軍服で登場。製作費15億円で、来年(1982年)夏休みシーズンに公開を予定、動員400万人、配収20億円を目指すなどと発表された。舛田は「この映画で、今の若い人達に、戦争に引き込まれた青春群像がどういうものだったのかを見てもらいたい」と話した。丹波哲郎は「戦争は負けたためにこれまで東條英機は間違って解釈されていた。真実が隠されていた。本当はこうだったんだということを後に続く若い人たちに教えることが今度の役を引き受けた理由である」と発言したため、翌朝の新聞各紙がこれをセンセーショナルに報道した。
1981年3月、冒頭の桜のシーンからクランクイン。予告編でもアピールされているが、海外ロケが大半になっており、台湾と太平洋戦線上のサイパン島で長期ロケが敢行された。猛暑の1981年7月から8月にかけて2ヵ月間、台湾ロケがあった。三浦友和、西郷輝彦、あおい輝彦、湯原昌幸、小倉一郎、河原崎次郎らが参加。スタッフ・キャストが宿泊するホテルは冷房施設がなく、窓を開けると蒸し暑い空気しか入って来ず、天井にはヤモリがへばりつく部屋。ロケ地へ向かう観光バス内だけが冷房完備。猛暑と重装備でちょっと走っただけでヘトヘトになった。
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