白蛇抄

白蛇抄 (1983)

感じるから、女。ルミ子、いま謎めいて...

華蔵寺で暮らす石立うたは、二年前に家族を失い自殺を図ったところを、住職の懐海に助けられ、後妻として迎えられた。懐海のひとり息子の昌夫は、夜ごとに繰り返される実父と義母との情交を覗き見て、うたへの想いを募らせていた。また、うたが救助されたときに立ち会った村井警部補も、彼女の肉体に魅せられていた。やがて昌夫とうたは密会し愛し合うようになるが、懐海が二人の密会場所で殺害されてしまう。二人が愛し合っていることを知った村井は、うたを問い詰めるのだが…。

公開日
1983-11-12
TMDB
5.6 / 10 (5)
上映時間(分)
1時間58分
ジャンル
ドラマ
監督
伊藤俊也

キャスト

豆知識

『白蛇抄』(はくじゃしょう)は、水上勉による日本の文芸小説作品 を原作とした日本映画。原作に忠実に映画化し、東映配給により1983年11月12日に劇場公開された。伊藤俊也が監督を務め、主演を担当する小柳ルミ子は1984年の第7回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。

製作経緯

1982年6月5日に公開された『鬼龍院花子の生涯』の大ヒットで、東映は文芸原作に女優たちのエロチシズムという鉱脈を見出し、新たな“女性文芸大作路線”を確立した。本作はそのうちの一本である。

監督の伊藤俊也は、「前作の『誘拐報道』で小柳ルミ子が各助演女優賞を受賞すると天尾完次プロデューサーが、小柳主演で水上勉原作の『白蛇抄』を作ろうと私に言って来た」と話している。原作は官能描写が凄くヌードになることは避けられないが、小柳は伊藤のオファーに対し、出演の了承を伝えた。岡田茂東映社長(当時)には既に企画を提出し「ルミ子が主演なら」とOKを取っていた。

間もなく渡辺プロダクションの渡辺晋社長(当時)の耳にも入り、「こんなに濡れ場のある映画はけしからん」と激怒。伊藤と天尾で渡辺社長のもとに日参し、渡辺社長がようやく折れた。徳間康快は「渡辺晋さんが非常に心を痛めて、(岡田茂と親しい)私に、ウチの大事なお嬢さんが何とか脱がないですむよう岡田社長に頼んでもらえないかと言ってこられた」と話している。小柳は「自分で納得して演じた」と話している。渡辺は小柳本人の意欲を買った。

撮影に入ってからも大変で、ナベプロの担当者がクレームを色々付けてくるので、伊藤と天尾で謀り、完成前のラッシュを岡田社長に先に見せて了解を取ってから、ナベプロサイドには「文句があるなら岡田社長に言ってくれ」と伝えた。そのタイミングで天尾が渡辺社長と岡田社長のトップ会談をセッティング。渡辺は岡田に「ウチの可愛い娘を頼んだぞ」と言ったといわれる。ここからは万事うまくいったと伊藤は話している。

マスコミには一切スチル写真を提供せずに、その代わりカメラマンを呼んで試写会を開催。濡れ場になるとカメラマンのシャッター音が響く異様な試写会だったが、翌日スポーツ新聞の芸能面を一斉に独占し、大きな話題を呼んだ。小柳は初ヌードを披露するなど熱演、本作で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。小柳にとって本作が最後の映画主演で、以降、アダルトで奔放なイメージを決定づけた。

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