武闘拳 猛虎激殺! (1976)
和製ドラゴン・倉田保昭の東映初主演映画。灼熱の国メキシコで闘技の修行を積んだ主人公・竜崎鉄次(倉田)が日本に帰って来た。父と兄の仇を求めて自ら火中にとび込む鉄次の眼前に、おどり出るベンガルの人喰い虎と武斗集団。猛虎シーザーの牙か、鉄次の必殺地獄突きが勝つか!?難攻不落の宿敵に立ち向かう主人公の手拳がスクリーンいっぱいに炸裂する空手アクション娯楽映画。
キャスト
豆知識
『武闘拳 猛虎激殺!』(ぶとうけんもうこげきさつ)は、1976年の日本映画。主演:倉田保昭、監督:山口和彦、製作:東映。
製作
岡田茂東映社長によるブルース・リー主演『ドラゴンへの道』の配給権獲得などで、ゴールデン・ハーベストと付き合いのあった東映が、リーの未完作の情報(『死亡遊戯』)をキャッチして本作を企画した。このため、塔を登って行き、各階に待ち構える格闘家と対戦するという『死亡遊戯』のプロットを東映的脚色術で咀嚼しシナリオが書かれた。次々と敵を倒して最上階の天守閣にいるのは、規格外にデカい黒人ではなく、本作ではトラとなる。
本作は1976年のお盆映画で、新たな東映のドル箱路線となった「トラック野郎シリーズ」の第3弾『トラック野郎・望郷一番星』のB面枠であるが、この枠にトラック野郎で若返った客層をさらに拡大させようと幾つかの企画が挙がった。1976年4月30日に東映が7月までの確定番組と後続予定番組を発表した際は、この枠には志穂美悦子主演の『白バラ軍団』を予定していると発表していた。ところが『キネマ旬報』1975年5月下旬号では「『ジョーズ』の日本版を企画検討してきた東映は『大冒険活劇・海魔神』の製作を決め、お盆映画として『トラック野郎』との二本立てを目指して準備している」と書かれている。
1976年5月末にあった東映8月までの番組決定発表での本作のタイトルは、『決闘五重の塔』と発表されたことから、本作が『トラック野郎・望郷一番星』のB面枠に正式決定し、『大冒険活劇・海魔神』は製作延期か中止になったものと見られる(その後の製作報道は見つからない)。
東映カラテ映画は、千葉真一と志穂美悦子のスターを生み、コンスタントな数字を残していたが、千葉、志穂美に続く新人の誕生が待たれた。倉田保昭は当時、香港映画界で出演料一本5000万円の大スターであったが、日本での知名度はほぼ0。当時香港や台湾では年間200本以上のカンフー映画を作っていたが、そのうち80%が日本人は悪役だった。日本人は主役はやらせてもらえないという。倉田が1974年に香港映画『帰ってきたドラゴン』の日本公開で"和製ドラゴン"として凱旋帰国した際、東映から直々に千葉主演の『直撃! 地獄拳』や、志穂美主演の『女必殺拳 危機一発』などに出演交渉があり、一連の空手映画で助演した。本作も千葉の主演作として企画されたものだったが、千葉が「動物相手のショー映画に出るのはイヤだ」と拒否したため、助演予定だった倉田が主役に抜擢された。
倉田は東映演技研修所の第一期生。1967年にその門をくぐってすぐ、佐藤純彌監督『続組織暴力』で、空手を使う氷屋のアルバイト学生での映画デビューが長い俳優人生の始まり。当時の東映大泉は、任侠映画の全盛期で、鶴田浩二や高倉健、村田英雄、北島三郎ら、大スターの取り巻きの数の多さに、「スターって凄い」と圧倒されたと話している。本作はその後の香港、台湾での武者修行10年を経て、古巣・東映での凱旋初主演作となった。
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