制覇 (1982)
When the patriarch of Japan's most powerful yakuza family is shot, his wife is left to pick up the pieces and carry on the legacy.
キャスト
- 三船敏郎 — Masao Tadokoro
- 岡田茉莉子 — Hiroko Tadokoro
- 菅原文太 — Koji Kawakami
- 若山富三郎 — Tsuyoshi Gonno
- 名高達男 — Hideo Oda
- 錦野旦 — Yuki Ohmi
- 梅宮辰夫 — Muraoka
- 鶴田浩二 — Otomo
豆知識
『制覇』(せいは)は、1982年10月30日に公開された日本映画。東映京都撮影所製作・東映配給。
製作
1980年前後の東映は、角川映画や劇場アニメ、買い取り作品がプログラムに乗ることが増え、東映の自社製作映画はめっきり減った。東映伝統のヤクザ映画も1980年、1981年と1本も公開されない状況。岡田茂東映社長は1982年2月の『映画ジャーナル』のインタビューで「やくざ映画は今はむつかしいですね。やっぱり時代劇と同じように構えた大作で社会的な話題を投げかけるような仕掛けの出来る題材を選ばなくちゃ出来ないと思いますね。役者も昔のやくざ映画に登場したような匂いを消すぐらい、まったくフレッシュな顔ぶれで作るとか、そういう方向を目指すべきでしょうね。何年かぶりにこの種の題材の一つとして『制覇』を準備中ですが、秋の11月、営業の方で是非やりたいと言って来ているので、話題大作に仕上がる内容が固まればGOをかけたいと考えてます」と述べている。
「任侠映画で東映の黄金時代を築いた俊藤浩滋プロデューサーが、再び口説き落とされて駆り出された」と書かれた文献があることから、企画は俊藤ではなく、東映のプロデューサーの誰かで、プロデューサーとして田岡満が入っているとはいえ、山〇組を破門になる俊藤の親友・菅谷政雄(演:若山富三郎)の出番も多く、現在進行中の映画でもあり、万全を期して俊藤にプロデューサーを頼んだものと見られる。俊藤は「総花式のオールスターではなく、その役にふさわしい役者にお願いした。ヤクザというのも現代では商売だ。たまたまヤクザ社会に生まれ育ち、そこで生きている人々を人間として描きたい。ホームドラマといえる部分もあると思う」「組長の奥さん、息子、娘さんの生活も密着取材して組長の死後、一家がどう生きているか、疎外されたヤクザの世界と、その周辺に生きる人たちのロマンを作りたい。最近、芸術的評価を気にして、ワケの分からん映画を作りすぎだ。
撮影中の1982年7月29日、東京プリンスホテルで製作発表記者会見があり、三船敏郎、岡田茉莉子他、大物スターが勢揃いする豪華な記者会見となった。席上、久しぶりに製作するヤクザ映画に、岡田東映社長のボルテージも上がり、「乾坤一擲の勝負作、任侠・ヤクザ映画の決定版にする」などと力説した。中島貞夫監督は「大人の鑑賞に耐えられるような映画です。暴力の世界に生きる人間たちの愛憎、怒り、死を見つめる人間ドラマにしたい」などと責任の重大さに緊張気味に話した。
本作は同じ中島監督の1979年『総長の首』の取っ掛かりと同じ、ベラミ事件であるが、当時は渦中だったので、そのままでは撮れなかったが、本作の製作当時はもう収まっていたため、問題はなかった、と中島は話している。川内弘(演:岸田森)が射殺されるのが喫茶店ではなく組事務所だったり、幾らか変更点はあるが、抗争の大筋は事実に即したもので、『仁義なき戦い』のように、登場人物の役名が実名をモジった名前となっており、誰かすぐに分かる。若山富三郎扮する人物の名前は、モデル・菅谷政雄の通称“ボンノ”をモジった“ゴンノ”である。1977年の『北陸代理戦争』以降は、フィクショナルな実録映画が続いたが、本作は実録度は高いものとなっている。俊藤は「『日本の首領』より『制覇』の方が三代目周辺の出来事をいろいろ細かく取り扱っているけど、というて実録では決してない。私としては現実をネタに壮大なフィクションをこしらえた。そもそもこのシャシンはやくざの世界を題材にしているというても、ポイントは人間ドラマ、家族のドラマにある。
中島監督は俊藤プロデューサーとの話の中で、『日本の首領 完結編』の後からの話に行かないといけないと考え、三代目の奥さんや姐さん達を中心に作ったらいいと、ヤクザの奥さんを主役にした後の『極道の妻たち』(1985年、五社英雄監督)的発想が生まれたと話している。確かに岡田茉莉子、松尾嘉代、大信田礼子といった主演級女優がヤクザの奥さん(極妻)にキャスティングされ、極妻ではないが、中井貴恵、秋吉久美子らも出演しており、従来のヤクザ映画では考えられないほど、ヤクザの家庭が描かれる。俊藤は「過去15年に亘ってこの種の映画を作ってきたが、これだけのオールスターが揃ったもは初めて」と話した。いつも男のうしろで控えめにしてるのが本来の極妻のため、ファンタジーである『極道の妻たち』ほど、極妻は前面に押し出さないが、『極道の妻たち』の前段階のような映画である。原作は志茂田景樹であるが、志茂田の原作を映画化したのではなく、危害が加えられるのを恐れ、志茂田に原作を書いてもらったという。
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