孤狼の血

孤狼の血 (2018)

警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ

昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原で地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中、加古村組関連の金融会社社員が失踪する。所轄署に配属となった新人刑事・日岡秀一は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾とともに事件の捜査にあたるが、この失踪事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していく。<広島の架空都市・呉原を舞台に描き、「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された柚月裕子の同名小説を役所広司、松坂桃李、江口洋介らの出演で映画化。「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督がメガホンをとった。>

公開日
2018-05-12
TMDB
7.2 / 10 (40)
上映時間(分)
2時間6分
ジャンル
犯罪, スリラー, ドラマ
監督
白石和彌
シリーズ
孤狼の血 シリーズ

キャスト

豆知識

  • 原作:孤狼の血

『孤狼の血』(ころうのち)は、柚月裕子の小説『孤狼の血』を原作とした日本の映画。白石和彌監督、役所広司主演で2018年5月12日に公開された。R15+指定。

製作

企画は紀伊宗之東映プロデューサー。紀伊は劇場でお客を見続けているうち、「最近こういうの観てへんな」という映画がタイムリーに世の中に出るとヒットする、トレンドはサイクルするんや」と気付いた。ヤクザ映画を現在に合うような形に変えて、キャッチアップすれば必ず当たるという確信を持ち、柚月裕子の小説『孤狼の血』を読み、「この原作を東映がやらないで誰がやるねん」と一週間かけて分厚い企画書を書き、会社に提出した。岡田裕介東映会長からは「当たらないよ」と即座に却下されたが、多田憲之東映社長が「原作が面白いから先に進めろ」とそっと紀伊の背中を押してくれた。

企画が成り立つかは、観客を呼べる俳優をキャスティングし、製作資金が集められるかどうかにかかっていた。そこで紀伊は「極道の妻たちシリーズ」に携わった天野和人プロデューサーとともに白石和彌に監督を依頼した。また紀伊と天野で役所広司と松坂桃李を口説けたことで製作費3億円が集まった。

原作『孤狼の血』は柚月裕子が『仁義なき戦い』の世界観を借りて書いたもので、内容はほぼ『仁義なき戦い』。白石監督も原作を読んだとき、主人公の大上章吾は菅原文太としか思えなかった。白石は故郷旭川のレンタルビデオ店で、中学のとき、『仁義なき戦い』をVHSのビデオで初めて観て、東京に出て来て文芸坐などの名画座で何度か観て、最初の印象は銃で撃たれて痛がるし、撃つときにビビッて撃つしでそれまで観て来た映画と違って怖かったという。ただ一作目で人物の相関図が分からなすぎて、五部作全て観るまではいかなかった。その後、中村幻児が主宰する映像塾で、若松孝二と深作欣二が顧問だったため、深作に何度か呑みに連れて行ってもらい、『仁義なき戦い』の話は聞いていた。

『仁義なき戦い』は、原爆で焦土になった広島から伸し上がったヤクザを描き、登場人物が戦争をくぐり抜けていることで、物語が強い。原作には戦争の影もなく、いまヤクザ映画を作っても、戦争を経験した男の匂いは出せないし、白石は「これは手を出しちゃいけないな」と考え、監督オファーに悩んだ。悩んだ末、韓国ノワールや「アウトレイジシリーズ」のような現在(いま)の空気が入っているヤクザ映画にしようと頭を切り換え、監督オファーを受けた。脚本の池上純哉と相談し、新米刑事の日岡秀一(松坂桃李)がベテラン刑事・大上章吾(役所広司)に誘われながら人を殴れるようになるまでの成長物語にし、笠原和夫や深作欣二が描いた「戦争」に代わるものとして、昭和を背負った男たちが消えてゆく時代(昭和63年)を舞台に、昭和にいた男たちの生き様を挽歌として描こうと決めた。戦争を経験している作家には敵わないけれど、「昭和」を拠りどころにするしかない、と臍を固めた。

2017年4月3日、映画『孤狼の血』製作発表会見をグランドハイアット東京(港区六本木)で開催、キャストの役所広司、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介、監督の白石和彌、原作小説を手がけた柚月裕子の7人が出席した。

Wikipediaで続きを読む · テキストはWikipedia、CC BY-SA 4.0。データはWikidata。

おすすめ