日本の仁義 (1977)
『やくざ戦争・日本の首領』の続編として製作されたヤクザ映画。新聞記者がスッパ抜いた政財界のスキャンダルから始まったあくなき暴力団抗争を描く。菅原文太、鶴田浩二が共演。
キャスト
豆知識
『日本の仁義』(にほんのじんぎ)は、1977年5月28日に公開された日本映画。製作:東映京都撮影所、配給:東映。監督:中島貞夫、主演:菅原文太。 ひとつのヤクザ組織が抗争事件や内部の裏切りによって追い詰められ、崩壊するまでを描いたヤクザ映画。封切時に東映が『やくざ戦争 日本の首領』に続くオールスターのヤクザ巨大シリーズ「日本3部作」第2弾と告知した。中島貞夫監督は「最初は菅谷政雄さんをモデルにした映画だった」と話している。
製作
1977年1月18日に東映が東京プリンスホテルで関係者を招き、年賀パーティを開催し、「楽しさ、面白さ第一の娯楽東映、バラエティ倶作部!」と題して1977年の年間ラインアップを発表した際には本作はアナウンスされなかった。また『映画時報』1977年2月号の1977年上半期の製作予定映画を解説する東映幹部の対談でも本作の名前は挙がらなかった。この記事では登石雋一東映企画製作部長が「(1977年の)6月は今のところ『新仁義なき戦いシリーズ』の第五弾を予定しています。いろんな観客調査等をやりましても、依然として『新仁義なき戦いシリーズ』を待望する声が非常に強いわけです」等と話しており、『新仁義なき戦いシリーズ』は第三弾までしかないため、第五弾というのは登石の勘違いと考えられるが、『新仁義なき戦いシリーズ』はまだ続く予定があったことになる。
1977年4月18日に東映本社8階会議室で行われた定例の番組発表で、池田静雄取締役宣伝部長から5月28日から6月17日までの3週間の興行と製作がアナウンスされた。
中島貞夫監督は「『やくざ戦争 日本の首領』を見た菅谷政雄から「先生、ありゃ違うぞ。親分が若頭殺すなんてそんな話あるけえ」と言われて「いやいやあれ原作がそうなってましたんで」と誤魔化していたら、菅谷をモデルにした映画の発注があったという。しかし「製作途中で菅谷さんが山口組を破門になってしまい、制作過程も二転三転した」などと話している。監督をオファーされた経緯は、菅谷と親友の俊藤浩滋プロデューサーから「これ、鶴田(鶴田浩二)でお前、やれ」と言われたという。中島も「菅谷さんに可愛がってもらっていた」と話しており、映画のポスターを菅谷に見せたら「"日本に仁義はない。菅谷政雄"と(キャッチコピーを)入れたらどうか」と冗談ではなく本気で言っていたと話している。
中島は脚本の神波史男、松田寛夫と神戸に取材に行ったが、その過程で菅谷が破門になってしまい「このシャシンでまた抗争でも起きたら、えらいことになる(三国事件)、とそれでかなり制約が出来た」と話している。神波は「びっくりするくらいオールスターの出演作ですね。岡田茉莉子まで出てるんですよ。内容は例によって、大暴力団組織の中の内輪もめから抗争に発展する話ですが、『日本の仁義』とは大きく出たもんだと思うけど、何が日本の仁義かよく分からんけどね…当時のヤクザ映画に家庭的な話を持ち込んだのはほとんど無かったと思うね。そこは松田寛夫じゃないと書けないとこです。林隆三がやった新聞記者はよく分かった上で書いたね。裏の特ダネを取りたくてヤクザに近付くんだけど、つい一緒に飲んじゃうんだよ。そうなるとだらしなくなって、取材どころじゃなくなっちゃうんだけど、その辺りは僕自身が投影されてるかもしれない」などと述べている。
松竹の看板女優だった岡田茉莉子の東映初出演は、『やくざ戦争 日本の首領』で居並ぶ豪華な男優の中で女優のキャスティングが弱いと痛感した中島監督の要望。「男たちのドラマの中にしっかりした女優を入れたい」という考えから。中島は岡田からの指名で1970年から1971年に東映京都撮影所で『徳川おんな絵巻』(フジテレビ)を演出したことがあり、その時、また自分の作品に出てくれると約束していたという。また東映の岡田茂と三越岡田茂とが同姓同名で、同じワンマン社長で昔から仲がよく、岡田茉莉子デビュー25周年を機会に、1976年8月25日に"岡田コンビ"の肝煎りで、森英恵ら70人を発起人とする岡田茉莉子の初めての後援会「茉莉の会」が発足したり、三越劇場の公演の企画はほとんど東映が担当しており、岡田茉莉子は岡田茂と親しかった。岡田茉莉子は本作以降は東映作品の出演が増えた。
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