新仁義なき戦い 組長最後の日

新仁義なき戦い 組長最後の日 (1976)

一触即発の<関西・九州>紳士(やくざ)協定を破棄した時ー

菅原が日本最大の暴力団組長に果敢に挑む。仁義なき戦いシリーズでは主人公が組長に利用され翻弄される役割であったが、遂に暴れ犬文太の真骨頂をこの最終作で見ることができる。

公開日
1976-04-24
TMDB
7.1 / 10 (14)
上映時間(分)
1時間31分
ジャンル
ドラマ, アクション, 犯罪
監督
深作欣二
シリーズ
New Battles Without Honor and Humanity Collection

キャスト

豆知識

『新仁義なき戦い 組長最後の日』 は、1976年(昭和51年)4月24日に公開された東映映画。「仁義なき戦いシリーズ」の番外編「新仁義なき戦いシリーズ」第三弾で、シリーズ8作目にして最終作。前作とは関係のないオリジナル脚本に基づく単独ストーリー。実録映画ではない、完全なフィクション。

製作

脚本の高田宏治が1974年の『山口組外伝 九州進攻作戦』の取材で九州に行った時に、当地で聞きかじった話をベースにホンを書いた。幼い兄妹が炭鉱町に生まれ、爆破事故が起き、両親とも生き埋めになる、人間の生存が絶望視されると、火災を消すために水が入れられ、それは両親の死を意味するが、兄は成長しやくざになり、警官から奪ったピストルで人ごろしを重ねる。この話を元に高田は『北九州電撃作戦・チャカ』という脚本を書いていた、しかし映画化はならず、炭鉱町の兄妹の話は野崎修一(菅原文太)とその妹・麻美(松原智恵子)のプロットに引き継がれた。高田は「笠原和夫さんの『仁義』に対して自分の色が出せるかどうか、この作品が正念場だと思っていた。だから、組織の中で苦悩する主人公ではなく、巨大組織に一匹狼の菅原文太を主人公に据え、大組長の命を殺る(とる)という実録やくざ映画のタブーにあえて挑んだ」と述べている。

本作の異色の部分は、主人公・野崎を演じる菅原が属する岩木組(岩木海事)は、まじめな正業を柱とするヤクザで、普段は普通に水運業の仕事をしている点。野崎(菅原)とその妹・麻美(松原)は岩木組組長(多々良純)に拾われて育ててもらった恩義があり、父親代わりの岩木組組長が殺されたことから、敵を討つためやくざとして決起し、周りは関西の大組織と親睦を図ろうとするが、これを承服せず、ラストまで執拗に坂本英光(小沢栄太郎)坂本組組長を付け狙う。

岡田茂東映社長が、1975年8月27日の記者会見で1976年新春作品として「新仁義なき戦いシリーズ」第三弾として製作を告知し、このとき発表した本作のタイトルは『新仁義なき戦い・組長刺客十三人』であった。刺客は十三人も出ないが、組長は十三人以上出るため、やくざ映画を観慣れていない人には誰が誰だか分からないかもしれない。脚本の高田は前作『組長の首』がヒットしたから「東映はだいたいこの辺でもっと儲けたいなと思う時は平気で"最後"ってつけるんですよ(笑)」と述べている。

深作欣二監督は「今度こそ本当に最後の最後だから、やってくれと頼まれた」と述べている。また「話の大枠は山口組の九州進攻作戦で、 小沢栄太郎が親分をやっている大阪の大組織が北九州に攻めていって抗争になるけど、結局、北九州勢が妥協しちゃうんで、文太の組織が跳ね上がる」と大筋を簡潔に述べている。また「女を活かしたホンはやはり高田宏治ならでは」と評価している。

岩木組の若衆候補・野崎(菅原)と妹・麻美(松原)、その夫・中道努(和田浩治)の3人を中心に話が進む。松原と和田はかつての日活の青春スターで、東映のヤクザ映画に舞台を移してドロドロのヤクザ社会で辛酸を舐めるという設定。実録路線やプログラムピクチュアの行き詰りを感じさせるキャスティング。さらに松原と菅原は近親相姦的関係。夫に「あんたよりお兄ちゃんが好き!」と言うシーンや、夫が事故死した後、麻美(松原)が兄(菅原)の蒲団に潜り込む。脚本の高田も「実録やくざ映画にこれほど深く女の物語を書き込んだのは初めて。この時の松原の美しさは壮絶」と評価する。イケイケの武闘派・米元組組長を演じるのは藤岡琢也で、当時はサンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」のCMで温和な笑顔をお茶の間に振りまいていたが、本作では九州の組織との友好の席で、若い妾が殺されたことを電話で聞いて逆上し、ブチ切れる危ない人を演じた。

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