戦国自衛隊 (1979)
歴史は俺たちに なにをさせようとしているのか?
伊庭義明三尉を隊長とする、近代武器で武装した21名の陸上自衛隊員は、演習に参加するための移動時に突然、補給地ごと戦国時代にタイムスリップしてしまった。戸惑っている彼らに長尾平三景虎が家来と共に会いに来た。景虎は伊庭と初めて会った瞬間「同族じゃ」と気に入り、異なる服装・武器に惹かれ、仲間にしたいと考える。タイムスリップした現実を安易に受け入れられなかった伊庭と自衛隊員たち。しかし景虎らに遭遇し、景虎と敵対する戦国大名のゲリラ軍に襲撃され仲間が死亡。そして景虎の戦を目の当たりにしたことで、戦国時代に来てしまったことを否応なしに受け入れていく。
- 公開日
- 1979-09-17
- TMDB
- 5.8 / 10 (38)
- 上映時間(分)
- 2時間19分
- ジャンル
- アクション, サイエンスフィクション, 戦争
- 監督
- 斎藤光正
キャスト
- 千葉真一 — Lt. Yoshiaki Iba
- 夏八木勲 — Nagao Kagetora
- 中康次 — Taisuke Mimura
- 江藤潤 — Nobuhiko Ken
- 速水亮 — Kazumichi Morishita
- 錦野旦 — Koji Kikuchi
- 三浦洋一 — Manabu Nonaka
- かまやつひろし — Mokichi Nemoto
- 倉石功 — Masao Maruoka
- 高橋研 — Masayoshi Hirai
- 渡瀬恒彦 — Hayato Yano
- 河原崎建三 — Koji Kano
豆知識
- 製作費:$900万
『戦国自衛隊』 は、1979年(昭和54年)日本映画。主演・アクション監督:千葉真一、監督:斎藤光正、製作:角川春樹事務所、カラー・ビスタビジョンサイズ、138分。千葉真一芸能生活20周年・ジャパンアクションクラブ(JAC)発足10周年記念作品。
製作
原作は角川文庫にも収められている半村良の『戦国自衛隊』。角川春樹は『スター・ウォーズ』のヒットや日本でも『宇宙からのメッセージ』といったSF映画が製作されているなかで、ハリウッド映画のSF大作に対抗するには、日本の風土と生活に根ざした独自のSFを作るしかないと考えていた。そんな矢先に原作を読み、自分が求めていたのは「時代劇とSFの融合」と気付き、青春映画も加えて製作しようと決意。業界通信社向けの会見で角川は「『アメリカン・グラフィティ』の日本版を目指す」と発表している。フジテレビジョンと共同製作のはずが出資は仰げず、角川は自宅を抵当に入れて銀行から11億5,000万円を融資してもらい、製作費を捻出した。
主演とアクション監督を兼務した千葉真一は、クランクイン前に夏木勲と自衛隊へ体験入隊し、江藤潤やかまやつひろしらは自衛隊の衣装を着て、銃(モデルガン)を持ち、自衛隊OBの指導のもと、東宝撮影所の野原で匍匐前進の訓練を受けた。鎌田敏夫の脚本では川中島の戦いを2つのシーンのみで描いているだけだが、映画のカット数は400を超え、20日間以上の日数を撮影に費やしている。千葉は『戦略大作戦』を意識して演出した。
伊庭義明三尉は時速100キロメートルで飛ぶシコルスキー S-62にロープ1本でぶら下がり、乗馬しながら地面にある矢と弓を左右に傾いて拾い上げる動きをしているが、これらのスタントを千葉真一は吹き替えなしで演じているのに加え、アクション監督としてもシコルスキー S-62に宙吊りしている伊庭からのアングルを自前のハイスピードカメラを脚にくくりつけて撮影し、武田騎馬武者の目線映像を撮るためにカメラを右耳側に取り付けたヘルメット (オートバイ) を被って乗馬するなど、これらの敢行は映画スタッフを心配させた。武田忍者が乗馬中に脇腹に隠れる技は『柳生一族の陰謀』第27話「美女と野獣」で千葉が既に演じていたものを、ジャパンアクションクラブ (JAC) に演じさせている。馬は短距離の瞬発力に優れ、急発進・急停止なども器用にこなすクォーターホースをアメリカ合衆国から輸入し、クランクイン1か月前から千葉とJACはクォーターホースと共に生活して訓練してきた。
ロケーション撮影は1年に及び、丸岡城を春日山城に見立て、新田川 (福島県)、飯舘村の小宮牧草地、御殿場市と全国に亘って実施された。御殿場ロケで出演者は10キロ離れた宿泊施設と撮影現場を皆バスで往復していたが、千葉真一と夏木勲は宿へ戻るときに日々走って帰り、その道すがら人生や芝居の話をしたと千葉は追憶している。江藤潤は「同世代の共演者が多いので部活みたいだったし、千葉真一さんは主役を多く演じた俳優さんなのに少年のようで、僕も精神が男の子だから楽しかった。夏八木勲さんも大人の少年で、千葉さんと夏八木さんの海辺のシーンはいい友情関係が出ていて、上半身をむき出しにして筋肉の見せ合いをしたり、その若々しい姿がうらやましくもあった。渡瀬恒彦さんもやんちゃだけど、役柄もあり、合宿生活をする共演者とは宿を他のところにしていた」と往時を懐かしみ、県信彦一士役については「県だけ冷静沈着で、周りより色目が違うということで、なるべく興奮しないよう、台詞もゆっくりしゃべるように演じた」と振り返っている。
斎藤光正は「自分が監督するからには、青春映画でないと意味がない」と語り、鎌田敏夫も『俺たちの旅』シリーズで青春ものを手掛けているので、運命を翻弄される自衛隊員の青春群像が描かれた。一方で戦国時代とはいえ「自衛隊員が無許可で離隊する、民衆を襲う、隊員同士が戦闘する」という鎌田のシナリオに自衛隊が難色を示し、既述の限定的な協力・支援のみに止まった。そのため、角川春樹事務所は61式戦車のレプリカを製造することにし、8,000万円を費やして2か月半の期間で造った。御殿場市のロケを見学していた自衛隊の戦車隊員は、外観があまりにも本物そっくりで驚いている。江藤潤は「タイムスリップした海岸のシーンで完成したばかりの戦車がうまく起動しないので、撮影技師がレールを敷いてキャメラがレプリカを回り、戦車自らが旋回したように撮影した」ことや、借りてきたシコルスキー S-62に陸上自衛隊の塗装をするなど「本作の手作りが良かった」と述べている。
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