剣 (1964)
東和大学剣道部主将国分次郎は、純粋に剣の世界に打ちこんでいた。剣に全生命をかける厳しいキャプテンの姿を、新入部員の壬生は神の如く、偶像視し、彼の行き方を学ぼうとした。国分の同級生で三段の賀川は、剣を愛し乍ら、適当に遊ぶタイプで、国分の息苦しい考え方と対照的であった。こうした部内の不満を一身に受けて、監督する木内もまた勝負で片がつく剣の世界を愛していた。強化合宿のシーズンがやってきた。合宿費用捻出のため、デパートにアルバイトに出向いた賀川が、勤務中禁煙の規則を破った。国分は部員全員を道場に集め制裁に処した。ますます国分に対して競争心をかられた賀川は、学内ナンバーワンと言われる伊丹恵理を使って国分を誘惑しようとした。恵理から国分が彼女の肉体を求めたことを聞き賀川はかすかな優越感に酔った。夏の強化合宿の日、国分の見事な統率力に反溌を持った賀川は、剣道部に厳禁されている水泳に誘った。ためらう部員に国分が恵理を誘惑したことを説き、偶像から下した。海に向って走る部員たち。唯一人、壬生だけは、国分を裏切れず合宿所に残るのだった。木内監督に見つかり賀川は即刻帰京を命じられた。責任をとってうなだれる国分の姿は壬生には敗北的にみえた。数日後の納会の日、ねぎらいの言葉を残して席をたった国分を追った部員の前に、胴を着け、竹刀を抱えて絶命している国分の姿があった。通夜の日、恵理は、賀川に語った事実は嘘だと告白した。
- 公開日
- 1964-03-14
- TMDB
- 7.7 / 10 (15)
- 上映時間(分)
- 1時間35分
- ジャンル
- ドラマ
- 監督
- 三隅研次
- シリーズ
- Kenji Misumi's Trilogy of the Sword
キャスト
- 市川雷蔵 — Jiro Kokubun
- 藤由紀子 — Eri Itami
- 川津祐介 — Kagawa
- 長谷川明男 — Mibu
- 河野秋武 — Kiuchi
- 紺野ユカ — Shigeko Fujishiro
- Junko Kozakura — Sanae Mibu
- 角梨枝子 — Hiroko Kokubun
- 稲葉義男 — Seiichiro Kokubun
- Yotaro Yajima
- 高見國一 — Tada
- Keijiro Kazama
豆知識
- 原作:剣
『剣』(けん)は、三島由紀夫の短編小説。全7章から成る。大学の剣道部での人間模様を描いた小説である。清らかな微笑をたたえ、「剣」の道に全霊を傾け、極みを追い求める若い主将が、一部の部員の些細な裏切りによって諌死するまでが描かれ、その結末にもかかわらず、「一種澄妙な透徹感」が全体をつらぬき、無駄なく明瞭な描写力の備わった作品となっている。
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