天使の欲望

天使の欲望 (1979)

お姉ちゃん、津軽の海に帰ろうよ。二人とも死んでさ…

津軽から出てきた二人の姉妹は、東京という名の大都会で、どう生きていったのか?姉は高看試験に合格し、都内の大病院に勤務。一方、妹は下町の薄汚い産婦人科開業医のもとで下働き。聖女のような顔をして、看護婦を勤めながら、陰では男から男への肉欲に狂う姉と田舎者まる出しのお人好しで純朴な心を持つ妹は、大人たちの愛欲地獄に踏みにじられていく…。そんな対照的な姉妹が何の因果か一人の男を巡って争うことに…。果たして、その運命の結末とは?

公開日
1979-10-06
上映時間(分)
1時間20分
ジャンル
アクション, ドラマ
監督
関本郁夫

キャスト

豆知識

『天使の欲望』(てんしのよくぼう)は、1979年公開の日本映画。結城しのぶ主演、関本郁夫監督。脚本は中島丈博のオリジナル。

製作

俊藤浩滋プロデュースによる『ドキュメント 女刑務所』という企画の脚本作りを関本郁夫と中島丈博とで一緒にやったことから、二人は知り合い、父親はともに高知県出身で、同じ高卒で映画界に入ってきたという共通点があり意気投合した。『ドキュメント 女刑務所』が流れた後、中島が「ATGで一本やってみない?」と持ってきた一冊が本作で、このとき本作はATGでは映画化されず、別の脚本が1975年に黒木和雄監督で『祭りの準備』として映画化された。1979年に『天使の欲望』の映画化が決まり、尺に合わせてホンをかなりカットしたという。

撮影は『飢餓海峡』や『女囚701号 さそり』などで知られる仲沢半次郎。関本は深作欣二監督の『人斬り与太 狂犬三兄弟』の大ファンで、これを撮った仲沢といつか仕事がしたいと思っていたところ、仲沢が「ポルノをやりたがっている」という話が伝わり、渡りに船で頼んだ。

関本はデビューから一貫して、根源的に"女"の持つしたたかなバイタリティーを作家的テーマとしているが、本作では土着派の脚本家・中島丈博と新コンビを組み、原始的な"生"を探る作業を熱っぽく追及している。津軽出身の姉妹が大都会東京で両極の"生"を晒け出し呼吸するが、バイタリティーだけが空転し、あがけばあがくほど窒息感が増し、下降していく"生"を描いた。

東映ポルノの濡れ場の撮影は、女優が前貼りをしないケースも多いとされるが、関本監督は「おれの現場で前貼りをしなかったのは、松田暎子との結城しのぶだけだね」と述べている。映画の最後の格闘シーンで、結城が自分からスッポンポンになって、前貼りをせずに演技し、相手役の新人・有明祥子が格上の女優が脱いでいるのに、自分も脱がないわけにいかなくなり、女優二人がスッポンポンでずーっと格闘し、関本は必死で演技を付けて、終わって「ハッ」と後ろを見たら、セットの周りに物凄い数の見物人が集結したという。

クランクアップの日に結城しのぶが暴行されるシーンの撮影で、結城が椅子に額をぶつけて大きなたん瘤が出来、関本はデビュー作のトラウマがあり、即座に撮影を中止し、結城に「一日休め」と言ったら、これを拒否し、病院で治療を受けた後、現場に戻ってきた。関本は「このシャシンは結城しのぶのファイトと女優魂に助けられた」と述べている。

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