皇帝のいない八月

皇帝のいない八月 (1978)

長く熱い8月ー日本を震撼させた戦慄の24時間!

岩手で不審なトラックを追跡したパトカーが銃撃される事件が発生。陸上自衛隊の警務部長・江見は、内閣調査室の利倉とともに捜査を進め、一部の自衛隊員によるクーデター計画《皇帝のいない八月》の存在を知る。同じころ、かつて江見の部下だった藤崎はクーデターに加わる一部隊を率い、博多発東京行きの特急さくら号を乗っ取る。だが政府による鎮圧作戦が始まり、藤崎の隊は孤立。藤崎は最後の手段で乗客たちを殺すと脅す。

公開日
1978-09-23
TMDB
7.2 / 10 (4)
上映時間(分)
2時間20分
ジャンル
ドラマ, スリラー
監督
山本薩夫

キャスト

豆知識

『皇帝のいない八月』(こうていのいないはちがつ)は、三無事件をモデルとした小林久三による小説、またそれを原作とする1978年公開の松竹製作の映画。

製作

1977年12月に松竹が発表した1978年ラインアップでは「男はつらいよ第21作」、『学校』『遠く熱い道』とともに一本立て興行が決定、本作は洋画系でのロードショーと発表されていた。当時は各社とも一本立興行の割合を増やしていた時期で、松竹も1978年2月に、1978年6月から10月まで、6月『事件』、7月『雲霧仁左衛門』、8月寅さん、9月を本作、10月を『薄墨の桜』で各月一本立興行を続けると告知していた。1978年4月に一本立で公開した『渚の白い家』が宣伝費も回収出来ない程の興行的大失敗に終わり、金銭的以上に興行者や松竹ファンに対する信用失墜が大きく、また『事件』『雲霧仁左衛門』とも興行不安があり、寅さんを二本立て興行に急遽変更、『薄墨の桜』は製作延期が決定した。

当初、映画版で主役(原作ではあくまでも脇役)の藤崎役には渡哲也のキャスティングが想定されていたが、所属の石原プロが自ら製作しているテレビドラマ中心に起用する方針を曲げず、そのスケジュールを解放しなかったために断念(同時期の角川映画『人間の証明』も同様の理由で渡の起用を断念)。そして白羽の矢が立ったのが渡の実弟の渡瀬恒彦であった。それまで東映でヤクザ役やチンピラ役など粗暴な役が多かった渡瀬だったが、本作では信念を持った元自衛隊エリートの反乱分子の内なる狂気を演じた。

吉永小百合は、この作品で初めて死ぬ場面を演じたと語っている(プログラムより)。実際には『ガラスの中の少女』『愛と死を見つめて』など病死する物語は多数経験しているので、殺される場面、という意味と思われる。また、直接描写はないが物語上で殺される役はテレビの『風と雲と虹と』で演じている。

監督の甥でもある山本圭については、市民を代表し軍国主義の狂信者と対峙する重要な場面で、渡瀬恒彦の熱演に圧されぎみとなってしまい悔いが残ったと、山本薩夫は回想する。

閣議は本来、総理大臣官邸内の円卓のある会議室(閣議室)で行われるが、撮影セットをニュース映像などでおなじみのマスコミの写真撮影用に用意されている閣僚応接室をもとに作ったため、応接室で閣議をひらいているようなシーンになった。

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