幸福

幸福 (1981)

エド・マクベインの“87分署”シリーズの一篇『クレアが死んでいる』を市川崑監督が翻案したミステリー・ドラマ。 大学生の庭子は恋人の刑事・北にデートに1時間ほど遅れると電話していた。その日の午後、書店で射殺事件が起こり村上刑事と伴に現場に向かった。そして3人の被害者の中に何と庭子がいた。真っ赤な鮮血で染めて倒れている庭子の死体に北は絶望と怒りを覚える。殺された3人の身辺調査を始めるのたが、被害者の1人遠藤の妻から、主人が脱サラの為の蕎麦屋の共同経営者に対し4百万円を支払っていることが分かった。しかも共同経営者はギャンブル狂で借金に追われ金を騙し取ったのだ。そのことが分かってしまい遠藤を射殺し庭子はその巻き添えになってしまったのだ。必死の捜査により潜伏先で犯人を捕らえる村上、北、両刑事。しかし、村上は事件解決を通じて、母に逃げられ父に育てられた庭子の境遇や妻に家出され自分ひとりで育てている二人の子供を想う時、仕事一辺倒の自分と幸せについて改めて考えるのであった。

公開日
1981-10-10
TMDB
8.3 / 10 (3)
上映時間(分)
1時間45分
ジャンル
犯罪, ドラマ, 謎
監督
市川崑

キャスト

豆知識

『幸福』(こうふく)は、1981年10月10日に公開された日本映画。製作はフォーライフ・東宝映画の提携。監督は市川崑。併映作品は、『アモーレの鐘』。

製作

監督を担当した市川崑は、長年男親の話の映画化を企画していた。一方、主演した水谷豊は、市川を監督に映画を1本作りたいと考えていた。先に話を持ち掛けたのは水谷だったが、市川は企画内容が乗り切れず、当時公開されていた米国映画の『クレイマー、クレイマー』のような話を企画していると打ち明けた所、水谷が「ミス・キャストでもいいから、ぜひやりたい」と乗り気となり、熱意に絆された市川が受ける形で製作が始まった。市川の企画は構想を練っている段階であったため、話の核として急遽、エド・マクベインの『87分署シリーズ』の1つである『クレアが死んでいる』を原作に、強引に親子の話と合体させる脚本が作られ、原作では話の中心ではないキャレラ刑事に相当する役を水谷が演じ、男親話にするためにキャレラの妻などの不要なキャラを除外する等、大幅な改変が行われた。また、話の日常性部分に女性の視点を入れたい市川の要望で、以前に市川が演出を担当した毎日放送版『源氏物語』で脚本に関わった大藪郁子が脚本に参加した。

1985年7月20日にフジテレビ『ゴールデン洋画劇場』で短縮版が一度だけ放映されたが、権利上の問題から以降の放映はなく、ソフト化もされていなかった。2009年に東京国立近代美術館フィルムセンターが復元版35ミリプリントを製作・上映したのを機に、その秋ソフト化が実現した(DVD・BDのハイブリッド形式)。更に日本映画専門チャンネルでもハイビジョン放映された。

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