継承盃

継承盃 (1992)

登録笑標

仙藤組のヤクザ・吉成正一は元サラリーマンという変わり種。ある日、本家である堂場組の組長が引退することになり、代替わりの継承式の媒酌人に仙藤組組長・門田大作が任命される。盃事の裏側で正一は親分と共に奔走。だが次から次へとトラブルが起こり…。

公開日
1992-08-29
TMDB
7.7 / 10 (3)
上映時間(分)
1時間58分
ジャンル
コメディ, ドラマ
監督
大森一樹

キャスト

豆知識

『継承盃』(けいしょうさかずき)は、1992年東映京都撮影所製作、東映配給の日本映画。カラー、ビスタサイズ、映倫番号:113774(本編)/113774-T(予告編)。

製作

企画は当時の東映京都撮影所(以下、東映京都)所長・佐藤雅夫。1992年新年初の通信会見で、高岩淡東映専務より、東映1992年下半期秋以降の企画等の発表があった。「昨年秋から"落ち込み"が激しく、何とか巻き返しを図ろうと秋以降の企画を練っている。現時点で決定しているのは、東映東京撮影所(以下、東映東京)が『天国の大罪』、主演の吉永さんの都合で6月から撮影開始。ほかに岡田裕介東映東京所長がフジテレビと共同製作を進めており、『病院へ行こう2』『新宿鮫』の2本が折衝中。また京都撮影所は2月4日から『寒椿』がイン、緒形拳、仲代達矢に代えて西田敏行を起用、全体的にキャストを若返らせている。そのほか佐藤雅夫京都所長が製作、俊藤浩滋サンがエグゼクティブプロデューサーをつとめる『継承盃』、これは『社葬』のやくざ版。

東映京都は、1950年代の時代劇~1960年代の任侠映画~1970年代の実録映画と上手く切り換えがなされ、それぞれ黄金時代を創り上げ、1980年代は"不良性感度"の素材をいろんな形で創出し、年々厳しくなる映画興行凋落のパンチをなんとか凌いで来た。しかしヤクザ映画もかつてのパワーはなく、時たま製作する時代劇もジリ貧で、東映京都としては長い間の課題である現代劇で活路を開くべく、度々トライを続け、1989年の『社葬』で未来への展望が拓けたと判断された。翌1990年の『遺産相続』は配収5億円に届かず、『社葬』に比べ、約1億円配収を減らしたが、アウトロー路線以外の開拓は容易にできる道でないため、それらに続く人間喜劇(シリアスコメディ)路線として本作の製作を決めた。また、『お葬式』『マルサの女』『ミンボーの女』などの伊丹十三監督による社会喜劇からの刺戟を受けた。伊丹作品より多少重目で、情念芝居たっぷりに仕込んだシリアスコメディとして差別化を図りたいというコンセプトが打ち出された。

1992年3月の暴力団対策新法施行で様変わりした新路線として、雰囲気をガラリと明るく変え、監督には青春映画の達人・大森一樹が抜擢された。脚本は東映の勝負作を任されるようになった松田寛夫のオリジナル。儀式の裏側で起きるヤクザのてんやわんやに上手く着目した。設定も公開当時を舞台としている。

真田広之、古手川祐子、緒形拳、大森一樹、吉田拓郎(主題歌)と、ヤクザ映画になんのゆかりもない人達が東映京都撮影所に集合"と宣伝された。真田広之、緒形拳とも東映の常連スターだが、現代ヤクザを演じるのは初めて。緒形は五社英雄監督作品で二度やくざに近い女衒の役を演じているが、東宝の古手川祐子は勿論、監督の大森も含めて四人はやくざ映画初体験である。緒形は1980年代以降、多くの東映映画に出演したが、本作が最後の東映映画出演となった。ほかにも異色のキャスティングが組まれた。

真田広之は証券会社から脱サラしてヤクザになったばかりで広島出身の設定。劇中自身で簡単な生い立ちが語られ、父役の名古屋章が上京して来てもみじ饅頭を土産に渡したり、電話でも両親との会話ほか、全編広島弁を話し、窮地に追い込まれると広島弁で捲し立て相手をビビらせる。緒形拳は常州梅ヶ崎一家十一代目総長・門田大作役で緒形も全編茨城弁を話す。美しい極妻・門田恵(古手川祐子)は東京出身設定で茨城弁は話さない。継承式が行われる関東堂場一家は東京の設定のため、他の登場人物は東京弁。

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