仁義なき戦い 完結篇 (1974)
決着はどうつくか!? 覇者攻防30年の総決算
広能組・打本会の連合と山守組との広島抗争は、警察による組長クラスの一斉検挙、いわゆる「頂上作戦」によって終息に向かう。打本会は解散し、広能組長・広能昌三は網走刑務所に収監された。一方、山守組側では逮捕されるも未決保釈となった最高幹部・武田明が広島に散在するやくざ組織に大同団結を呼びかけ、市民社会からの厳しい視線をかわすため政治結社「天政会」として統一組織を立ち上げた。しかし天政会は、会長・武田明、理事・江田省一らの主流派と副会長・大友勝利、幹事長・早川英男らの反主流派とに分かれ一枚岩ではなかった。
- 公開日
- 1974-06-29
- TMDB
- 7.2 / 10 (50)
- 上映時間(分)
- 1時間40分
- ジャンル
- アクション, ドラマ, 犯罪
- 監督
- 深作欣二
- シリーズ
- 仁義なき戦い シリーズ(深作オリジナル五部作)
キャスト
- 菅原文太 — Shozo Hirono
- 宍戸錠 — Katsutoshi Otomo
- 八名信夫 — Ryôsuke Kaga
- 金子信雄 — Yoshio Yamamori
- 松方弘樹 — Ichioka
- 小林旭 — Akira Takeda
- 田中邦衛 — Masakichi Makihara
- 内田朝雄 — Kenichi Okubo
- 山城新伍 — Shozo Eda
- 桜木健一 — Akio Saeki
- 織本順吉 — Hideo Hayakawa
- 野川由美子 — Kaoru
豆知識
『仁義なき戦い 完結篇』 は、東映京都撮影所の製作、東映配給により公開された1974年の日本映画。主演:菅原文太、監督:深作欣二。「仁義なき戦いシリーズ」最終作。
製作
「仁義なき戦いシリーズ」は、第四弾『仁義なき戦い 頂上作戦』で、誰がどう見ても完璧なエンディングを迎えたが、"映画は商品"と言い切る岡田茂東映社長が、みすみすヒットシリーズを終わらせるわけはなく、『頂上作戦』を書き上げた笠原和夫が、岡田社長と深作欣二、日下部五朗の四人で夜の京都に繰り出した折、四条大橋の上で岡田が笠原の肩に手を掛け「お前なァ、悪いけど『仁義なき戦い』をもう一本書いてくれないか」と囁き、笠原にさらなる続編執筆を要請した。笠原は「あれはもう文太と旭の別れも書いて、二人とも刑務所に入れたし、もう書きようがない。無理です」と断ったが、岡田から「まあそう言わずに頼むわ」と無理強いされた。バーに入って岡田に聞こえないように笠原が小声で深作に相談すると、深作は「笠原さんがホン書くならやるよ」と言う。笠原は「よし。
東映から脚本の依頼を受けた当時の高田宏治にとって、笠原は目の前に聳え立つデカい山のような存在。笠原の後を書く、そのことに武者震いをしたという。笠原は第四部までで描き切れなかった事件を纏め上げた長い長い巻物を高田に渡した。東映の後輩とはいえ、ライバルでもある者になかなか出来ることでなく、「この人はサムライやな」と高田は改めて感心した。但し、自分がやる以上は「高田宏治の仁義なき戦い」を書き上げなければ意味がないと考えた。一週間考え続け、見事な群像劇を作り上げた笠原脚本に対し、高田は一人の人間を主役にする、それも強い上昇志向と意地、そしてド根性のある男を徹底して共感を持って書く、という結論に達した。さっそく広島に飛び、美能幸三や共政会(劇中の天政会)関係者に取材を行った。美能は山村辰雄(劇中の山守義雄)の恨み節を延々と話し、高田に美能自身で始めから終わりまで山村の悪口を書いた『完結篇』の脚本を書き送って来るほどだった。
この二人の料亭で対峙するシーンで、宍戸がテーブルの小皿やグラスを左腕一撃で払いのけると、宍戸の左腕の静脈がばっさり切れ、血がビューッと噴き出て、テーブルいっぱいに血が広がり、松方の隣にいた女優がそれを見て失神、「カメラが流血をうまく追いきれなかったのが残念」などと宍戸は述べているが、松方の話では本編で使われているのは別テイクで、宍戸が手を切ったのはグラスを握り潰したテイク。松方は「グラスを握り潰したんだわ、あの人。NHKでやっても本物の酒飲む人だからね。『アルコールの匂いがする役者になりたい』って、そりゃ本物飲んでんだから匂うよ!そりゃ違うだろ!だけど、錠さんはそう言うんだな。そのときもずっとテストやってて、本番でそれでしょ。驚いたねぇ。カットかかったら血が凄いんだもん。それで『はい、おつかれ』って、そのまま病院直行よ。なかなかグラスは潰せないよ、普通の力じゃ(笑)」などと述べている。
宍戸錠が演じた大友勝利は、第二部『仁義なき戦い 広島死闘篇』以来の登場だが、これは『広島死闘篇』で大友を演じた千葉真一が主演映画『殺人拳シリーズ』にクランクインしていたことから実現しなかったためで、大友はもともと『頂上作戦』から再登場する予定だった。千葉は『広島死闘篇』の撮影途中から主演する映画『ボディガード牙シリーズ』の準備で髪を赤く伸ばし始めていたため、同作では帽子でごまかしていたが、本作では大友が刑務所から出てきたばかりだというのに、赤髪だと都合悪いというのもあった。もう一人、早川役の室田日出男もテレビの『前略おふくろ様』で人気が出て主役級になっていたため、スケジュール的に無理で織本順吉に代わった。
佐伯明夫役の桜木健一は当時、東映製作のドラマ『柔道一直線』(TBS)、『刑事くん』(TBS)で、茶の間の絶大な支持を得ていた。特に30分で事件を解決する『刑事くん』がオンエアされているこの時期に本作の情けないチンピラ役はありえないキャスティングだが、岡田社長に「悲しい末路を辿るチンピラ役だけど出ないか」と誘われ、「あれほど大ヒットしている映画に出してもらえるなんて」と二つ返事で出演した。ドラマの刑事役への影響なんてまったく心配しなかったという。桜木が転んで水中銃を自分の足に貫通させ敵側にリンチを受けるシーンでは、京都の大映通りを使い祭りのセットも完全に出来上がっていた。ところが売れっ子の桜木が関西テレビの仕事で撮影に間に合わず、一旦セットをバラして2日後に撮り直した。するとリンチをする役者が、本気で桜木の髪を掴むなど激しいリンチに。撮影を遅らせた返り討ちを受けたという。
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